◆ 軍人 大航海時代の海には、あちこちに海賊がはびこり、商人たちは決死の覚悟で海へ乗り出していた。 そんな彼らを護衛していたのが、海軍に所属する軍人たちである。 一方、国家の命を受けて、敵国の商船隊に海賊行為を働く集団も存在した。 いわゆる私掠海賊である。 大航海時代を代表する軍人に、プリマス生まれのイングランド人、キャプテン・ドレイクがいる。 彼もまた、私掠海賊上がりの軍人であった。 イスパニア艦隊の襲撃から、命からがら逃れて以来、ドレイクはイスパニアへの復讐を誓っていた。 女王はそんな彼に目をとめると、イスパニア艦隊への私掠命令を下す。 カリブ海に向かったドレイクは、命令どおりにイスパニア艦隊と戦い、財貨を奪い続けた。 そして私掠行為を繰り返すうちに、彼はいつしか世界を一周していたのである。 ドレイクの船は、香料と財貨を満載してイングランドに帰還した。 この大航海で得た香料や財貨のおかげで、イングランドは国家財政の立て直しに成功。 ドレイクは、「エル・ドラコ」――ドラゴンと、イスパニアから恐れられるようになった。 そして帰国から7年後。 再びドレイクは脚光を浴びる。 イスパニアの本拠地であるカディス湾を襲撃して、多数のイスパニア艦船を沈めたのである。 業を煮やしたイスパニアは、アルマダと呼ばれる無敵艦隊130隻をドーバー海峡に送る。 対するイングランドは、司令官ハワードと旗艦アーク・ロイヤル。副司令官ドレイクと旗艦リベンジ。そして、多数の武装商船を含む197隻で迎え撃った。 結果はイングランドの勝利であった。 無敵とうたわれたイスパニア艦隊であったが、戦いの前から勝負は見えていた。 イスパニア艦隊は、度重なるドレイクの私掠行為にかつての力を失いつつあったのである。 こうして、一人の軍人の働きが無敵艦隊の栄光に終止符を打ち、弱小国イングランドを世界へ羽ばたかせていく。 あなたの戦いは、世界をどのように変えていくのであろうか。
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