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◆商人
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どこで何が不足して、何が余っているのか。
一部の人間は、その情報が大いなる富を生むことを知っている。
信用と情報だけを頼りに各地を巡り、才覚一つで金貨一枚を何万枚にも増やす人々が、商人である。
かのコロンブスことクリストバル・コロンも、ジェノヴァの毛織物商人の子であった。
14歳で船乗りになると、大商人に雇われて地中海にイングランド、北海沿岸などに出掛けたという。
このとき学んだ航海術や船員たちの統率法、そして商人としての交渉力が、のちの大発見へつながったことは想像に難くない。
やがて、ポルトガルで暮らすようになったコロンは、西回りでインドへ向かう計画を立てる。
だが、地理的迷信もあり、西周りの航路など誰も信じなかった時代。
加えて、東回りのインド航路発見が近いと考えていたポルトガル王は、コロンを相手にしなかった。
それでも彼は、自分の計画を貫いた。
隣国イスパニアに支援を願い出たのである。
ポルトガルに対抗する西回り航路を発見すれば、いかに利益を得られるか。
それを説けば、必ずやイスパニア王室と大商人たちの支援を得られる。
商人としての経験が、コロンにそう告げていた。
ポルトガル王への嘆願から8年後。
コロンの熱意が実るときが来た。
1492年。
イスパニア王室、そしてジェノヴァ商人たちの支援を受けたコロンは、ヨーロッパ人が足を踏み入れたことのない新世界を発見した。
彼は、支援者への思いをこめて、上陸した島を「サン・サルバドル」――「聖なる救世主」と名づけたという。
大商人たちの力を借りてコロンが発見した新大陸は、その後、イスパニアに富を、そして世界に変化をもたらしていく。
あなたが築く財力は、世界をどのように動かしていくのだろうか…。 |
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